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三谷幸喜『清須会議』(幻冬舎)映画化決定!

Posted by erkazm on 26.2012 掲載記事 0 comments 0 trackback

清須会議清須会議
(2012/06/27)
三谷 幸喜

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今年6月に出た、三谷幸喜の書き下ろし時代小説。版元のPR誌「星星峡」でレビューを書いたのだが、望んでいたとおり映像化が決まった。そのラインナップがすごい。

http://www.cinematoday.jp/page/A0003430

いやあ、本当に豪華だわ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『一筋縄でいくわけがない、三谷幸喜の歴史小説』@星星峡8月号

相変わらず歴史・時代小説は花盛りである。毎月、書き下ろし文庫の点数はうなぎ上りで、超売れっ子作家がぞくぞくと登場している。多くは江戸時代の市井ものだが、作家たちはみんな良く勉強している。感心するばかりだ。読むほうも江戸時代はなんとなく入りやすい。熊さん八っつぁん、ご隠居さんの落語の世界そのままに、世話物や料理人の話なら、時代背景はわからなくても心の機微は現代と同じ。人情話は殺伐としたイマドキのものより、タイムスリップして長屋ののんびりムードがいい。人気があるのも当然だ。

しかし、これが戦国時代の小説となると少々敷居が高くなる。鳴かないホトトギスを殺したり、無理強いさせたり、根気強く待ったりする信長、秀吉、家康の三人の名前ぐらいは知っていても、果てさて群雄割拠の下克上の戦国時代は、誰がどこでどうなったのか、さっぱりわからんという人は多いのではないだろうか。天下を狙う武将たちのダイナミックな物語は無類に面白いのに、知らないのはもったいないと思わないか。

さて話は全く別になる。ここにひとり、何かを企てれば必ず大きな話題になる当代一の人気作家がいる。その名は三谷幸喜。昨年は映画「ステキな金縛り」で人々を沸かした。この夏はパルコ劇場で「桜の園」「なにわバタフライNV」「其礼成心中」の3作を3ヶ月間連続公演する。特に初の文楽書き下ろしとなる「其礼成心中」の人気は高く、文楽オタクの私はあっちこっちの会員になって先行予約の抽選に応募し、苦労してようやくチケットを手に入れた。三谷が書くんだから、絶対に面白いと文楽排斥を標榜する橋下大阪市長まで「見に行きたい」と期待を口にするほどだ。
 
その三谷幸喜が、なんと、戦国時代を舞台にした歴史小説を書き下ろした。タイトルは『清須会議』。なんじゃそれ、と思う人だけに簡単に説明しよう。本能寺で織田信長が明智光秀に討たれ非業の死を遂げた。信長配下の各武将はそれぞれの地で戦闘中だったが、羽柴秀吉(後の豊臣)は備中から飛んで帰って明智を討ち果たした。その秀吉ら信長の重臣たちが呼び集められ、亡き殿との思い出が詰まった清須城にて、後継者と領地の分配をめぐる会議が行われたのだ。
 
集まったのは柴田勝家、丹羽長秀、滝川一益、そして信長の乳兄弟、池田恒興。ただし滝川は関東からの上京が間に合わず参加出来なかった。信長の嫡男、信忠は本能寺へ助けに向かうもかなわず自刃したため、後継者は残った次男の信雄と三男信孝が争うことになったのだ。
 
さてここまでが歴史教科書の年表に出ている話。勇猛果敢で知られる織田家の家臣はどのような駆け引きをしたのだろうか。それをひとりひとりのモノローグで書き起こした小説、それが三谷幸喜作『清須会議』である。
 
誰が決めたわけでもないのに、不思議なもので歴史・時代小説では独特の言い回しが使われる。「拙者」「お主」「そうろう」」ござる」など本当に言っていたのだろうか。日本語なのに意味不明なら、面白いかどうか以前に読む気を失くす。だったら現代語に訳そうと三谷は考えた(のだと思う)。全編、語られる言葉でわからないものは何もない。ムードはないが、気持ちや言いたいことがよくわかる。なにせプロローグが本能寺で死ぬ直前の織田信長のモノローグなのだ。

そりゃ、もうちょっと長生きしたかったさ。(中略)
外国にも行ってみたかった。ポルトガルの町並み、この目で見たかったよ



なんて語られると、ちょっとうるっとしてしまうではないか。歴史の中の出来事は、事実だけしかわからない。信長だって本当はどんな奴かなんて誰も知らないのだから、想像を気球ぐらい膨らませて解き放ってしまえば良い。書店でこの本を手にとって、プロローグを読み始めたらこっちのもの。途中で止めることなんて絶対に無理だ。
 
清須会議についてちょっとでも知識がある人なら、尚のこと楽しめる。結果は揺るがないけれど、武将それぞれの思惑と駆け引きが丁々発止と繰り出される。「そんなバカな」と突っ込みを入れて読むのもまた一興。何しろ書き手は三谷幸喜。一筋縄でいくわけがない。はて、結局一番良い思いをしたのは、一番欲しいものを手入れたのは誰だろう。
 
読み進むうちに、脳内で勝手に映像化が進んでしまう。主役の秀吉はずる賢いけど憎めない堺雅人はどうかしら、とか、柴田勝家はこのとき60歳だから三谷映画常連の西田敏行で決まりだろう、とか馴染みの俳優が浮かんでは消える。
 
それぞれのキャラに馴染んだら、多少は戦国時代が身近になる。これを手引き足がかりにして、勇猛壮大に広がる歴史絵巻にずいっと足を踏み入れてみてはいかがだろうか。
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