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「本のキュレーター勉強会」3月の課題図書 『かぜの科学』(早川書房)

Posted by erkazm on 30.2011 本のキュレーター 0 comments 1 trackback
この前の勉強会が、遥か遠い昔に思えるほど、様々なことが起こり、様々な思いを胸にしている。
本を読むことが苦痛に感じる経験は、数回あるけれど、今回ほど活字が上滑りすることはなかった。
飢えた子供たちと同じくらい、被災者に文学は無力である。
少なくとも現状が回復し、彼らの気持ちに余裕が生まれるまで、本は無用の長物だろう。

それでも、舅姑が神戸で震災に会い、家が全壊し何もかも失って数ヵ月後
身を寄せ合って暮らしていた親族から「本が欲しい」と請われたときは嬉しかった。
階段を一歩上がったような気がした。
世界がちょっとだけ明るくなった。

本を読んで楽しめる日が、一日でもはやく訪れますように。

今回の課題本は誰にとっても一番身近な病気の話です。
なかなか興味深い本でした。


ジェニファー・アッカーマン『かぜの科学』(早川書房)

かぜの科学―もっとも身近な病の生態かぜの科学―もっとも身近な病の生態
(2011/02)
ジェニファー アッカーマン

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年が明けてしばらく経つと「そろそろだねぇ」と言い始める人がいる。花粉症だ。アレルギーのない私は、時限爆弾を抱えているように、毎年、発症を恐れている。ちょっと鼻がグズグズすると、さてはと身構えるが、どうやら今年も大丈夫だった。鼻かぜだったらどうってことない。
 
幼いころから一番身近な疾病は風邪だ。万病の元とも言われるが、たいがいは喉が痛くなって鼻水と咳がでて、ちょっと重症だと発熱する程度。身体の節々が痛くなり高熱に浮かされるのはインフルエンザという別の病気だと知ったのはつい最近の話である。では風邪は今どこまで解明されているのだろう。

その疑問を解決してくれるのが『かぜの科学』である。可愛い少女がくちゅんとくしゃみをしているカバーイラストが可愛らしい。著者は「ナショナル・ジオグラフィック」や「ニューヨーク・タイムス」に寄稿するサイエンスライター。本書を読むと、その仕事を心から楽しんでいる様子が手に取るようにわかる。誰が好きこのんで、風邪のウィルスを身体に感染させて実験台になるというのだろう。それがいくらいいアルバイトだとしても。

感冒とか流感とか呼ばれる風邪は、長く人の社会に入り込み、生活や経済を停滞させてきた。それなのにワクチン1本、特効薬ひとつ出来ない不思議。いったい風邪の正体はどこまで暴かれているのだろうか。
 
風邪の原因がウィルスであることは半世紀前にはわかっていた。現在ではその種類が200種にも及ぶことも解明されている。そして風邪の諸症状は、そのウィルスが直接引き起こすのではなく、排除しようとする人間の免疫反応であるということも分かっている。しかし、それらを緩和するためには、対症療法としての薬しかなく、それも往々にして効かない。薬局で百花繚乱の風邪薬が効いたためしがないのは誰もがよく知っているはず。結局のところ気休めでしかなく、眠くなる成分によって身体が休まるだけのようだ。
 
ただ、感染経路だけはしっかり分かってきている。ウィルスはどこにでもいるのだが、それを鼻や目に付けなければ感染しない。空気感染という説もなくなったわけではないが、帰宅したらよく手を荒い消毒することで多くの場合防げるようだ。
 
本書が興味深いのは、おばちゃんの知恵袋のような対処法まで検討しているところである。チキンスープが有効であるという結果には思わず拍手。永年、人々が信じてきた薬は、絶対に効果があるとは言えなくても、悪い結果は出さないのだ。変な代替療法を試すよりはよっぽど健全である。
 
子供のころ一緒に住んでいた祖母は、私が風邪をひくとガーゼにネギの刻んだものを包み、喉に巻きつけた。それが熱を取り鼻の通りを良くするのだと、言い聞かせられていた。小学校に上がってからは、その臭さに閉口し、泣いて拒んで諦めてもらったが、信じていたころは治ったような気がしたものだ。プラセボであれおまじないであれ、信じるものには効果が上がるものなのだ。

たかが1週間安静にすれば治ってしまう風邪という病気。気長に付き合っていく以外にはなさそうである。
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かぜの科学―もっとも身近な病の生態著者:ジェニファー アッカーマン早川書房(2011-02)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る 読書を終えてまず思い知ったのは、我々は風邪についてほとん ...
2011.04.10 14:26 なおきさんのブログ

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