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あなたも今日からシャーロック・ホームズ『卒アル写真で将来がわかる』

Posted by erkazm on 06.2014 HONZ 0 comments 0 trackback

卒アル写真で将来はわかる 予知の心理学卒アル写真で将来はわかる 予知の心理学
(2014/10/25)
マシュー ハーテンステイン

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なんと興味深く、胡散臭い感じがするデータだろう。

本書は、顔かたちや体の大きさ、しぐさ、全体から感じる雰囲気などから他人が感じとる性格や性的魅力、性癖やら繁殖力、果ては未来を占うことはどれほどできるのか、その結果がどれほど正しいかを、膨大なデータを収集して裏付けた本である。

「卒アル写真」という怪しげな言葉はもちろん卒業アルバムに載っている写真のこと。著者のアメリカインディアナ州、デポー大学心理学准教授のマシュー・ハーテンステインは、若いころの写真から将来を予測できるかどうかを調べるため、卒業アルバムを使うことを思いついた。20代から80代までの650名以上の大学時代の卒アル写真を集め、口角の上がり方や随意筋、不随意筋の動きから笑顔の度合いを点数化した。そして、現状で彼らの結婚生活かどうなっているかを尋ねたのだ。

すると、結婚生活が順調の人の笑顔の点数は、離婚した人たちよりも統計的に有意に高いというデータを得ることができた。つまり満面の笑みを浮かべているか、作り笑いか、笑っていないかで離婚が予測できるというのだ。この実験結果は2009年のサイエンス・ジャーナルに発表され大きな話題を読んだ。本書は「人相学」がどれほど科学的に正しいか、人の外面と内面はどれほど関係しているかを、様々な角度から見ていく。

まずは目次を紹介しよう。


第1章 殺される顔、殺す顔
第2章 排卵日にはゲイがわかる
第3章 卒アル写真で将来はわかる
第4章 ウソをつく奴の顔はここが違う
第5章 話は中身よりも話し方
第6章 顔の細い社長の会社は業績が悪い
第7章 なぜ子供は選挙の当落を当てられるのか




著者はいう。日々の暮らしは疑問に満ち、我々はいつも何かを選択するために考えている。今夜の食事はどこにする?わが町、我が国のリーダーは誰がいい?デートの相手はどんな人?今度採用した社員は有能か?前からくる人は私に襲いかからないか?配偶者は浮気していないか?それらのことを判断するには、非常に限られたデータである。一瞬の判断、ちょっと見ただけの写真などから、人は驚くほど相手のことを言い当てることができるらしい。

「人相学」「骨相学」は紀元前の昔より存在していた。目の前に座ればピタリと当たる占い師は現代でも列を作るほど人気の商売だ。占い師は何を観ているか、どんなことから将来についてのアドバイスをしているのか。近代までそれは経験値によるものであり、個人の推測や判断力によることが大きかった。その能力には大きな幅があるが、訓練によって向上することもわかってはいた。

その経験値について科学者や心理学者、あるいは社会学者が興味を持ち、様々な実験を行うようになってきた結果、ビッグデータとして集積され始めている。ことわざなどで言われている、時として図星を射抜く物事は、人が感じられる一種の裏付けがあってのことだった。

男性の顔の縦と横の比率から、その人間が持つ凶暴性がわかり、大きい会社を率いる能力があるかが判断できる。女性のウェストとヒップの比率から繁殖率や生存率の違いが判ると聞けば「ウッソー!」とちょっと前の女子高校生のように叫んでしまう。

女性として特に興味を持ったのは、第2章の同性愛者を見分ける能力についてだ。異性愛者は同性愛者を見分けることがなかなかできないが、同性愛者は同じ同性愛者を、ほぼ確実に見つけられるという。(ゲイを見分けられる能力をゲイダーというのだそうだ。これまた初めて知った名前である)また、女性は生理周期によってゲイを見分ける能力に違いが出るそうだ。1回のセックスも無駄にするな、ということか。

本書に書かれたことをすべて見つけたとしたら、まさに現代のシャーロックホームズになれるだろう。実際、嘘を見分ける能力を超人的に備えている人は実際存在する、と本書では説明している。“真実を見抜く魔法使い”は15,000人に50人ほどの割合でいるそうだ。幼いころにそのことに気づき、まわりから不審に思われなように生きてきた女性は、孤独感にさいなまれていたが、そういう人は一定に存在していると知り、安堵のあまり泣き出してしまったという。

ただし、この本はアメリカ人に対してのデータであることは忘れてはならない。今はどうなっているか知らないが、その昔の私たちの時代、卒業アルバムに載る一人一人の写真は没個性が当たり前だった。同じ制服で真正面からカメラを見据えるか、気を付けをしての集合写真で、笑うことなく怒ることなく、顔をまっすぐにして動かさないもの。そういえば、運転免許もパスポートも、日本人の写真は笑っていないと言われる。交通安全協会で撮られる写真は、まるで前科3犯のようで最悪だ。

日本の場合、大きな事件や事故、犯罪があったとき、加害者も被害者も最初にマスコミに登場する写真は卒業写真であることが多い。あの写真からも何かを得ることができるのだろうか。著者は日本における実験も試みるそうなので結果が楽しみだ。

面白すぎる本には注意が必要だが、本書は果たしてどれだけ信用できるだろう?マユにツバを付けつつ、一読をお薦めする次第である。
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