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マーク・オブマシック『ザ・ビッグイヤー 世界最大のバードウォッチング競技会に挑む男と鳥の狂詩曲 』(アスペクト) @小説すばる 2004.8月号

Posted by erkazm on 28.2011 掲載記事 0 comments 0 trackback
ザ・ビッグイヤー 世界最大のバードウォッチング競技会に挑む男と鳥の狂詩曲ザ・ビッグイヤー 世界最大のバードウォッチング競技会に挑む男と鳥の狂詩曲
(2004/05/25)
マーク オブマシック

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鹿児島・宮崎県境の新燃岳の爆発的な噴火が大きなニュースとなっている。
昨年の口蹄疫、先ごろの鳥インフルエンザと、なんだか南九州に災いが多く降りかかり、気の毒でならない。

鳥インフルエンザの発生による、大量の殺処分にも心が痛む。殺される鳥たちは当然だが、始末をせざる得ない現場の人たちの気持ちはいかばかりだろうか。

今回の原因は渡り鳥だと思われる。鹿児島のナベヅルやコウノトリ、カモなど北から渡ってきた鳥たちの不審死が、今回の事態を引き起こしたのだとしたら、手の打ち様がない。日本全国に越冬地があり、鶏のように殺処分にもできず、事実上お手上げで守りを固くする以外に方法はなさそうだ。
 
バードウォッチングは相変わらず盛んである。夏には夏の、冬には冬の姿を求め、バードウォッチャーは目的地に出向く。確かに鳥は美しく、鳴き声や修正も興味深い。趣味として嵌ると奥深いだろう。
 
このバードウォッチングのノンフィクションで忘れられないのが『ザ・ビッグイヤー 世界最大のバードウォッチング競技会に挑む男と鳥の狂詩曲』である。
伝説となった1998年の大会を詳述したこの作品。「病膏肓」とは正にこのこと。スピルバーグが映画化に動いたと言う話だったが、未だに聞かない。
文庫化はできないのかなあ。


@小説すばる 2004.8月号

はたから見たら、バカバカしくて下らないことも、一途に夢中になる姿は、男性だとロマンとか夢とかに浄化されてしまうから不思議だ。お金のことなんか心配せずに、女房子供も振り捨てて、仕事なんか顧みず、とにかく一つのことに集中する、なんてことは普通の人にはなかなか出来ることではない。
 
男のロマンを実現してしまった話が『ザ・ビッグイヤー』(アスペクト)である。
副題がそのまま説明にもなっている。「世界最大のバードウォッチング競技会に挑む男と鳥の狂詩曲」。

アメリカ探鳥協会が主催する世界最大の競技会は、一年間全北米大陸で見つけた鳥の種類を自己申告し、その数の多さで勝敗をつける、というものだ。審判はいない。

時は1998年。まだニューヨークのテロもイラク戦争も始まっていない普通の年だ。ただ一つ、例年と違っていたのはエルニーニョ現象による異常気象で、風や流氷に乗ってたどり着いた「迷鳥」が数多く見られた年だったのだ。

勝負は1月1日から12月31日までで、だれでも参加することができる。この狂乱の年にタイトルを目指したものは3人。1987年のタイトル保持者サンディ・コミト、大会社の副社長を引退したばかりのアル・レヴァンティン、離婚の悲しみを競技で癒そうとする貧乏なソフトウェア技師グレッグ・ミラー。年齢も経歴もバラバラだが、探鳥への熱意は負けず劣らずで、情報入手ではコミト、懐の暖かさではレヴァンティン、運のよさではミラーがそれぞれ勝っている。

北米大陸で見られる鳥の種類は約650種だが、山の上に住むもの、水鳥、渡り鳥、と見られる場所も季節もまるで違っている。珍しい種類をたくさん見た者が優勝者だから情報入手が最大のポイントとなる。インターネットの普及によって、どこかで珍種が見つかれば、たちどころに情報が送られてくる。それを見るやいなや、飛行機に乗ってあるいは船をチャーターして一目散に駆けつける。しかし相手は自由の代名詞、鳥だ。いつまでもその場所に滞在しているとは限らない。時間とお金の膨大な無駄遣いとなってしまう。
 
お互いの存在を知らないまま探鳥旅行を繰り返すうちに、コミトと後の二人という対立が出来上がる。トラブルメーカーのコミトは一般のバードウォッチャーにも人気がない。一方、親からお金を借りながらなんとか凌いでいたミラーとレヴァンティンが組むことで二人は驚異的な種類を見つけていく。
 
優勝者は読んでのお楽しみだが、この人物が見た種類は745種類で、全米のバードウォッチャーを驚愕させた。もちろんこの記録はいまだに破られていない。テロや戦争のため国境付近や海岸線は立ち入ることができなくなり、そこに棲む鳥を見ることはできなくなった。世界が今より少しだけ平和だった頃のお伽噺である。
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