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姜戎『神なるオオカミ』上下(講談社)  @週刊文春 07.12.27

Posted by erkazm on 17.2011 掲載記事 1 comments 0 trackback
1月も半分が過ぎました。

元旦は神戸で過ごすというのが、結婚してからの習わしになっています。
ちょっとした楽しみになっているのが「神戸新聞」を読むこと。

普段は朝日や日経、読売など中央紙(っていうのか?)を読んでいるので
ローカルな話題満載の地方紙が新鮮で面白いのです。

で、今年の元旦の1面は

『絶滅のニホンオオカミ復活へ』

この手の話題が大好物のワタシ。熟読しました。
オオカミの本が大好きで、ここ数年、書評でもたくさん取り上げています。

たとえば、
絶滅したといわれているニホンオオカミですが、実は今でもときどき目撃談が出ます。

西田智『ニホンオオカミは生きている』(二見書房)



増えすぎてしまったシカやカモシカの駆除のため、外国産を導入しようと主張している人たちもいます。

丸山直樹ほか『オオカミを放つ』(白水社)



昨年のベスト10に入れた、哲学者とペットのオオカミの物語は出色でした。
武田鉄矢さんが絶賛されたことで、注目されました。

マーク・ローランズ『哲学者とオオカミ』(白水社)



中でもワタシがダントツに面白いと思うオオカミ本これです。





上下本で1000ページを超える大著ですが、興奮しました。

『神なるオオカミ』上下(講談社)@週刊文春 2007.12.27

今年はどうしたわけか、数多くのオオカミ本が出版された。
『オオカミを放つ』(白水社)は、100年前のニホンオオカミ滅亡により爆発的に増えてしまったシカの被害を、外国からのオオカミ導入によって食い止めようとする研究者たちからの問題提起の書であった。
続いて出た『ニホンオオカミは生きている』(二見書房)は在野の野生動物研究家・西野智が偶然大分の祖母山で撮影した謎の犬型動物がオオカミ、あるいは新種のヤマイヌではないかと推測し研究していくドキュメント。
その熱い思いに心を打たれた。
 
 そして殿(しんがり)にオオカミ本の真打が登場だ。
1000ページを超える赤と白の上下巻『神なるオオカミ』(講談社)である。
著者の姜(ジャン)戎(ロン)は中国の文化大革命時代、自らの意思で内モンゴルに下放され11年間の時を過ごした。本書はその体験を自伝的小説として著したものだ。
 
 著者の分身である主人公・陳陣(チェンジェン)は北京の知識青年。
下放先のオロン草原で羊飼いの見習いとしてこの地で一番の狩人であるビリグじいさんの元にいる。
草原の民は狼を神と崇拝し、死後も狼に食べられ何も残さないことが何よりも尊いこととしている。
しかし人間も群を離れればオオカミにとってはただの獲物。
命からがら襲撃から逃げた陳陣(チェンジェン)は統制された狩りの仕方や美しい姿に魅了され、子オオカミを一匹盗み出す。
小狼(ショウラン)と名づけられ育て始めるが、野性をむき出しに手懐くことはない。
オオカミよる羊や馬の甚大な被害に、中央から派遣された委員会は殲滅を決定しビリグじいさんたちの力を借りることとなる。
爆薬や銃の力によって排除されたオオカミたちを天は見放さなかった。雷鳴が鳴り響き巨大な雷が草原に落ちる。その機に乗じてオオカミたちは馬を襲う。
役人が導入を決め草原を荒らしていたモンゴル馬を退治するかのように殺戮は続いた。

 しかし、さすがのオオカミたちも人間の力に抗いがたく姿を消してしまう。残った草原は家畜や食物の増産のため農地に変えられていく。
何千年もの間、遊牧民とともに生きた大地が、漢民族の手によって掘り起こされ砂漠化していく。

 本書は第一回マン・アジア文学賞を受賞した。中国国内では海賊版も含めると既に1800万部が売れ、26カ国に翻訳予定であると聞く。
オオカミの恐ろしさと魅力を伝えながら、経済、科学至上主義への警鐘を鳴らし、中国の民族紛争にまで話が及ぶ現代の奇書を、この正月休みに是非堪能してもらいたい。

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